アロプリノール誘導型薬疹のHLAと臨床所見に関する研究
研究実施のお知らせ
2018年1月5日ver.1.0
研究課題名
アロプリノール誘導型薬疹のHLAと臨床所見に関する研究
研究の対象となる方
2004年4月1日~2016年3月31日に各共同研究施設でアロプリノール誘導型薬疹で入院し、採血検体を理化学研究所に送付した患者さん
研究の背景
アロプリノール誘導型薬疹は時に重症化し、本邦における重症薬疹の被疑薬で最も高頻度と考えられている薬剤です。 アロプリノール誘導型薬疹が重症化しやすい機序の詳細については十分解明されていませんが、近年患者がHLA-B✱5801 を高頻度に保有しているという報告があります。 また、当科及び理化学研究所の検討において、HLA-B✱5801 を保有する患者は全例TNF-a 産生を司る遺伝子の一塩基多型がみられ、他疾患(クローン病、気管支喘息など)においても同様にこの一塩基多型があることでTNF-a 産生が上昇している事が指摘されている。 今回、理化学研究所で遺伝子多型を調査したアロプリノール誘導型薬疹の症例でTNF-a 血中濃度を測定済みのデータと電子カルテから症状や採血データなどを抽出して関連を調査します。
研究の目的・意義
病態生理が十分解明されていないことから、重症薬疹の国際的コンセンサスを得た治療法は今の所ありません。 本研究において、アロプリノール誘導型薬疹がHLA-B✱5801 と強く関連し、血中TNF-a 産生の上昇がみられたら、重症化とTNF-a との関連が解明でき、有効な治療法として抗TNF-a 抗体製剤の使用が検討されます。
研究の⽅法
アロプリノールで皮膚障害が出現した患者さんを対象としています。 保管されている診療録(カルテ)から、薬剤の投与の原因となった疾患(原疾患)・皮膚障害の種類・合併症・皮膚障害の治療と経過・血液の検査所見・診断のための皮膚生検をした場合はその病理所見についての情報を収集します。
今回の研究は島根大学を含む研究参加12 施設による多施設共同研究であり、他施設から送られてきた同様のデータと統合し解析を行います。
研究の期間
研究許可日~2020年3月31日
研究組織
この研究は島根大学医学部附属病院皮膚科を中心として行うもので、(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)「重症多形滲出性紅斑に関する調査研究」に参加する 全国12 施設が参加を予定しています。研究で利用する情報の管理責任者は次のとおりです。
研究代表者 島根大学医学部皮膚科学講座講師 新原寛之
参加研究機関
相談・連絡先
なお、研究データの解析が終了した後は、ご自身の情報の利用を拒否する申し出があってもご要望に添えないことがありますのでご了承ください。
この研究について、詳しいことをお知りになりたい方、ご自身の情報を研究に利用してほしくない方、その他ご質問のある方は次の担当者(研究責任者)にご連絡ください。
研究終了日までに研究責任者:新原寛之までご連絡ください。
同意の撤回について
患者さんまたは代理人から同意の撤回又は拒否があった場合には、遅滞なく、当該撤回又は拒否の内容に従った措置を講じます。
島根大学医学部皮膚科学講座講師 新原寛之
〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1
電話 0853-20-2210(皮膚科 医局)