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研修プログラム

A.専門医研修の教育ポリシー

 研修を終了し所定の試験に合格した段階で,皮膚科専門医として信頼され安全で標準的な医療を国民に提供できる充分な知識と技術を獲得できることを目標とする。医師としての全般的な基本能力を基盤に,皮膚疾患の高度な専門的知識・治療技能を修得し,関連領域に関する広い視野をもって診療内容を高める。皮膚科の進歩に積極的に携わり,患者と医師との共同作業としての医療の推進に努める。医師としてまた皮膚科専門医として,医の倫理の確立に努め,医療情報の開示など社会的要望に応える。

B.プログラムの概要

 本プログラムは島根大学医学部附属病院皮膚科を研修基幹施設として,島根県立中央病院皮膚科、松江市立病院皮膚科、益田赤十字病院皮膚科を研修連携施設として,また研修準連携施設として大田市立病院皮膚科、平成記念病院皮膚科、町立奥出雲病院皮膚科、出雲市立総合医療センター皮膚科、出雲徳洲会病院皮膚科を加えた研修施設群を統括する研修プログラムである。なお,本プログラムは各研修施設の特徴を生かした複数の研修コースを設定している。(項目Jを参照のこと)

C.研修体制

研修基幹施設:島根大学医学部附属病院皮膚科

研修プログラム統括責任者(指導医):山﨑 修(診療科長)

専門領域:皮膚科一般,皮膚悪性腫瘍、皮膚細菌感染症

指導医:千貫祐子

専門領域:皮膚科一般,皮膚アレルギー

指導医:新原寛之

専門領域:皮膚科一般,静脈瘤、薬疹

施設特徴: 専門外来として,アレルギー外来, アトピー外来,皮膚外科外来, 静脈瘤外来, レーザー外来を設けており,外来患者数は1日平均約70名あり,豊富な経験を積むことが可能。また,年間手術件数は500件を超える。研究の面では,いくつかのグループを作り,指導医との連携を強め,多様な研究結果を創出している。
施設特徴: 皮膚アレルギー疾患,アトピー性皮膚炎,食物アレルギーなどのアレルギー疾患の診断・原因検索を含めた高度医療,血管外科と連携しての静脈瘤の外科治療を提供しており,山陰全域から多くの患者が紹介受診される。アレルギー疾患については、小児科、呼吸器内科、消化器内科、耳鼻科と月1回のセミナーを開催し、情報共有を行っている。皮膚腫瘍患者,水疱症などの難病患者も広く受け入れている。研修連携施設とは週1回の症例カンファレンスを行い,連携を密にとっている。

研修連携施設:島根県立中央病院皮膚科

  • 所在地:島根県出雲市姫原4-1-1
  • プログラム連携施設担当者(指導医):辻野佳雄(部長)
  • 指導医:三原祐子

研修連携施設:松江市立病院皮膚科

  • 所在地:島根県松江市乃白町32-1
  • プログラム連携施設担当者(指導医):新石健二(科長)

研修連携施設:益田赤十字病院皮膚科

  • 所在地:島根県益田市乙吉町イ103-1
  • プログラム連携施設担当者(指導医):金子 栄(部長)

研修準連携施設:大田市立病院皮膚科

  • 所在地:島根県大田市大田町吉永1428-3
  • 指導医:松木真吾(部長)

研修準連携施設:平成記念病院皮膚科

  • 所在地:島根県雲南市三刀屋町三刀屋1294-1

研修準連携施設:町立奥出雲病院皮膚科

  • 所在地:島根県仁多郡奥出雲町三成1622-1

研修準連携施設:出雲市立総合医療センター皮膚科

  • 所在地:島根県出雲市灘分町613

研修準連携施設:出雲徳洲会病院皮膚科

  • 所在地:島根県出雲市斐川町直江3964-1

 研修基幹施設には、専攻医の研修を統括的に管理するための組織として以下の研修管理委員会を置く。研修管理委員会委員は研修プログラム統括責任者,プログラム連携施設担当者,指導医,他職種評価に加わる看護師等で構成される。研修管理委員会は,専攻医研修の管理統括だけでなく専攻医からの研修プログラムに関する研修評価を受け、施設や研修プログラム改善のフィードバックなどを行う。専攻医は十分なフィードバックが得られない場合には、日本専門医機構皮膚科領域研修委員会へ意見を提出できる。

研修管理委員会委員

  • 委員長 :山﨑 修(島根大学医学部皮膚科教授)
  • 委 員 :千貫祐子(島根大学医学部附属病院皮膚科准教授)
    :高瀬里美 (島根大学医学部附属病院皮膚科外来看護師長)
    :辻野佳雄(島根県立中央病院皮膚科部長)
    :新石健二(松江市立病院皮膚科科長)
    :金子 栄(益田赤十字病院皮膚科部長)

前年度診療実績:皮膚科

1日平均外来患者数 1日平均入院患者数 局所麻酔年間手術数(含生検術) 全身麻酔年間手術数 指導医数
島根大学 61.3人 7.9人 168件 42件 3人
島根県立中央病院 21.2人 0.4人 94件 16件 2人
松江市立病院 23.2人 2.1人 55件 0件 1人
益田赤十字病院 30.8人 1.9人 53件 6件 1人
合計 136.5人 12.3人 370件 64件 7人

D.募集定員

 4人

E.研修応募者の選考方法

 面接により決定(島根大学医学部皮膚科のホームページ等で公表する)。また,選考結果は,本人あてに別途通知する。なお、応募方法については、応募申請書を島根大学医学部附属病院卒後臨床研修センターのホームページよりダウンロードし,履歴書、医師免許証(コピー)、臨床研修修了登録証(コピー)又は修了見込み証明書と併せて提出すること。

F.研修開始の届け出

 選考に合格した専攻医は,研修開始年の3月31日までにプログラム研修開始届に必要事項を記載のうえ,プログラム統括責任者の署名をもらうこと。その後,同年4月30日までに皮膚科領域専門医委員会(hifu-senmon@dermatol.or.jp)に通知すること。

G.研修プログラム 問い合わせ先

 島根大学医学部附属病院皮膚科

 千貫 祐子

 TEL:0853-20-2210 FAX:0853-21-8317

H.到達研修目標

 本研修プログラムには,いくつかの項目において,到達目標が設定されている。別冊の研修カリキュラムと研修の記録を参照すること。特に研修カリキュラムのp.26~27には経験目標が掲示しているので熟読すること。

I.研修施設群における研修分担

 それぞれの研修施設の特徴を生かした皮膚科研修を行い,研修カリキュラムに掲げられた目標に従って研修を行う。

  • 1. (島根大学医学部附属病院皮膚科では医学一般の基本的知識技術を習得させた後,難治性疾患,稀な疾患など、より専門性の高い疾患の診断・治療の研修を行う。さらに皮膚悪性腫瘍に対する手術療法(当科には形成外科専門医が在籍しており,再建については適宜指導を受けられる体制である),化学療法,終末期医療を習得する。さらに医師としての診療能力に加え,教育・研究などの総合力を培う。また,少なくとも1年間の研修を行う。
  • 2. 島根県立中央病院皮膚科、松江市立病院皮膚科、益田赤十字病院皮膚科では,急性期疾患,頻繁に関わる疾病に適切に対応できる総合的な診療能力を培い,地域医療の実践、病診連携を習得し、島根大学医学部附属病院皮膚科の研修を補完する。研修連携施設または一人医長の準連携施設にて、原則、1年間の研修を行う。
  • 3. 準連携施設であり指導医が在籍している大田市立病院皮膚科以外の出雲市立総合医療センター皮膚科,町立奥出雲病院皮膚科,出雲徳洲会病院皮膚科,平成記念病院皮膚科では指導医不在の一人医長として、最長2年間の研修を行う可能性がある。
    一人医長として研修する専攻医は,島根大学医学部皮膚科の指導医と密に連絡を取り,診療の相談,カンファレンスへの参加を随時行う。

J.研修内容について

1.研修コース

 本研修プログラムでは,以下の研修コースをもって皮膚科専門医を育成する。ただし,研修施設側の事情により希望するコースでの研修が出来ないこともあり得る。また,記載されている異動時期についても研修施設側の事情により変更となる可能性がある。

コース 研修1年目 研修2年目 研修3年目 研修4年目 研修5年目
a 基幹 基幹 基幹/連携 基幹/連携 基幹/連携
b 基幹 基幹 基幹/連携 連携 準連携
c 連携 大学院(高度臨床医育成) 大学院(高度臨床医育成) 大学院(高度臨床医育成) 大学院(高度臨床医育成)
  • a: 研修基幹施設を中心に研修する基本的なコース。2年間は基幹施設で皮膚科専門医になるために必要な基礎的研修を行い、3年目以降は希望により基幹施設あるいは連携施設にて皮膚科専門医受験に必要な資格を取得する研修を行う。
  • b: 臨床医を目指すコース。2年間は基幹施設で皮膚科専門医になるために必要な基礎的研修を行い、3年目以降は希望により基幹施設、連携施設、準連携施設にて皮膚科専門医受験に必要な資格を取得する研修を行う、臨床医に特化したコース。
  • c: 専門医取得と博士号取得を同時に目指すハイパーコース。2年目以降本院が設置する大学院博士課程(高度臨床医育成コース)に進学し、専門医と博士号を同時に取得する。

2.研修方法

1)島根大学医学部附属病院皮膚科

外来 診察医に陪席し,外来診察,皮膚科的検査,治療を経験する。
病棟 病棟医長のもと数チームの診療チームを構成する。専攻医は指導医のもと担当患者の診察,検査,外用療法,手術手技を習得する。毎週の病棟回診で受け持ち患者のプレゼンテーションを行い,評価を受ける。毎週の病理カンファレンスで症例発表を行い,評価を受ける。

毎週火曜日の研究カンファレンスに参加する。皮膚科学会主催の必須の講習会を受講し,年に2回以上筆頭演者として学会発表を行う。また、皮膚科関連の学会,学術講演会,セミナーに積極的に参加する。病院が実施する医療安全講習会に定期的に参加する。年に1編以上筆頭著者で論文を作成することを目標とする。

研修の週間予定表

午前 外来 外来 外来 外来・病理カンファレンス 外来    
午後 病棟
手術
病棟
手術
研究カンファレンス
病棟
手術
病棟カンファレンス
回診
症例検討会(月1回)
病棟
手術
   

2)連携施設

島根県立中央病院皮膚科:

 指導医の下,地域医療の中核病院の勤務医として,第一線の救急医療,処置,手術法を習得する。島根大学医学部附属病院皮膚科のカンファレンスに月1回参加し学習する。皮膚科学会主催の必須の講習会を受講し,年に2回以上筆頭演者として学会発表を行う。皮膚科関連の学会,学術講演会,セミナーに積極的に参加する。病院が実施する医療安全講習会に定期的に参加する。

研修の週間予定表

午前 外来 外来
病棟
外来 外来
病棟
手術カンファレンス
病棟
   
午後 手術 手術 病棟
褥瘡回診
手術 病棟カンファレンス ※宿直  

※宿直は1回/月を予定

松江市立病院皮膚科:

 指導医の下,地域医療の中核病院の勤務医として,第一線の救急医療,処置,手術法を習得する。必須の講習会を受講し,年に1回以上筆頭演者として学会発表を行う。皮膚科関連の学会,学術講演会,セミナーに積極的に参加する。病院が実施する医療安全講習会に定期的に参加する。

研修の週間予定表

午前 外来 外来 外来 外来 外来    
午後 病棟 病棟 病棟 病棟 病棟    

※宿直は2~3回/月必須

益田赤十字病院皮膚科:

 指導医の下,地域医療の中核病院の勤務医として,第一線の救急医療,処置,手術法を習得する。皮膚科学会主催の必須の講習会を受講し,可能な限り年に2回以上筆頭演者として学会発表を行う。皮膚科関連の学会,学術講演会,セミナーに積極的に参加する。病院が実施する医療安全講習会に定期的に参加する。

研修の週間予定表

午前 外来 外来
手術
外来 外来 外来
手術
   
午後 外来
手術
カンファレンス
病棟
専門外来
病棟
外来
褥瘡回診
病棟 病棟    

※当直は2~3回/月必須。総合診療科の担当もあり。

3)大学院(高度臨床医育成コース)

基幹施設にて1)と同様の研修を行い皮膚科専門医取得に必要な研修を行うが,併せて自らの興味のある分野にて臨床研究を実施し,論文作成等を行う。

4)研修準連携施設

指導医が在籍している大田市立病院皮膚科以外の出雲市立総合医療センター皮膚科,町立奥出雲病院皮膚科,出雲徳洲会病院皮膚科,平成記念病院皮膚科では現在指導医が不在であるが,地域医療を担う重要な病院である。皮膚科医として独立した診療が出来るよう経験と知識をより深化するため専門研修の後半に1年間に限り,1人での診療を行うことがある。また、大学病院に患者紹介や診療相談を行うことにより,病診連携を習得する。

研修の年間予定表

行事予定
1年目:研修開始。皮膚科領域専門医委員会に専攻医登録申請を行う。
2年目以降:前年度の研修目標達成度評価報告を行う。
日本皮膚科学会総会(開催時期は要確認)
日本アレルギー学会(開催時期は要確認)
山陰・島根合同開催地方会(開催時期は要確認)
研修終了後:皮膚科専門医認定試験実施
10 試験合格後:皮膚科専門医認定
11 日本皮膚科学会西部支部総会(開催時期は要確認)
12 研修プログラム管理委員会を開催し,専攻医の研修状況の確認を行う(開催時期は年度によって異なる)
5年目:研修の記録の統括評価を行う。
山陰・島根合同開催地方会(開催時期は要確認)
当該年度の研修終了し,年度評価を行う。
皮膚科専門医受験申請受付

K.各年度の目標

1,2年目: 主に島根大学医学部附属病院皮膚科において,カリキュラムに定められた一般目標,個別目標(1.基本的知識2.診療技術3.薬物療法・手術・処置技術・その他治療4.医療人として必要な医療倫理・医療安全・医事法制・医療経済などの基本的姿勢・態度・知識5.生涯教育)を学習し,経験目標(1.臨床症例経験2.手術症例経験3.検査経験)を中心に研修する。
3 年 目: 経験目標を概ね修了し,皮膚科専門医に最低限必要な基本的知識・技術を習得し終えることを目標にする。
4,5年目: 経験目標疾患をすべて経験し,学習目標として定められている難治性疾患,稀な疾患など,より専門性の高い疾患の研修を行う。3年目までに習得した知識,技術をさらに深化・確実なものとし,生涯学習する方策,習慣を身につけ皮膚科専門医として独立して診療できるように研修する。専門性を持ち臨床に結びついた形での研究活動に携わり,その成果を国内外の学会で発表し,論文を作成する。さらに後輩の指導にもあたり,研究・教育が可能な総合力を持った人材を培う。
毎 年 度: 日本皮膚科学会主催教育講習会を受講する。また、山陰・島根合同開催地方会には可能な限り出席する。各疾患の診療ガイドラインを入手し、診療能力の向上に努める。PubMEDなどの検索や日本皮膚科学会が提供するE-ラーニングを受講し、自己学習に励む。

L.研修実績の記録

  • 1. 「研修手帳」を,日本皮膚科学会ホームページからダウンロードし,利用すること。
  • 2. 専攻医研修管理システムおよび会員マイページ内に以下の研修実績を記録する。
    経験記録(皮膚科学各論,皮膚科的検査法,理学療法,手術療法),講習会受講記録(医療安全,感染対策,医療倫理,専門医共通講習,日本皮膚科学会主催専攻医必須講習会,専攻医選択講習会),学術業績記録(学会発表記録,論文発表記録)。
  • 3. 専門医研修管理委員会はカンファレンスや抄読会の出席を記録する。
  • 4. 専攻医,指導医,総括プログラム責任者は「研修の記録」の評価票を用いて下記(M)の評価後,評価票を毎年保存する。
  • 5. 「皮膚科専門医研修マニュアル」を,日本皮膚科学会ホームページからダウンロードし,確認すること。特にp.15~16では「皮膚科専攻医がすべきこと」が掲載されているので注意すること。

M.研修の評価

 診療活動はもちろんのこと,知識の習熟度,技能の修得度,患者さんや同僚,他職種への態度,学術活動などの診療外活動,倫理社会的事項の理解度などにより,研修状況を総合的に評価され,「研修の記録」に記録される。

  • 1. 専攻医は「研修の記録」のA.形成的評価票に自己評価を記入し,毎年3月末までに指導医の評価を受ける。また,経験記録は適時,指導医の確認を受け確認印をもらう。
  • 2. 専攻医は年次総合評価票に自己の研修に対する評価,指導医に対する評価,研修施設に対する評価,研修プログラムに対する評価を記載し,指導医に提出する。指導医に提出しづらい内容を含む場合、研修プログラム責任者に直接口頭、あるいは文書で伝えることとする。
  • 3. 指導医は専攻医の評価・フィードバックを行い年次総合評価票に記載する。また,看護師などに他職種評価を依頼する。以上を研修プログラム責任者に毎年提出する。
  • 4. 研修プログラム責任者は,研修プログラム管理委員会を開催し,提出された評価票を元に次年度の研修内容,プログラム,研修環境の改善を検討する。
  • 5. 専攻医は研修修了時までに全ての記載が終わった「研修の記録」,経験症例レポート15例,手術症例レポート10例以上をプログラム統括責任者に提出し,総括評価を受ける。
  • 6. 研修プログラム責任者は,研修修了時に研修到達目標のすべてが達成されていることを確認し,総括評価を記載した研修修了証明書を発行し,皮膚科領域専門医委員会に提出する。

N.研修の休止・中断,異動

  • 1. 研修期間中に休職等により研修を休止している期間は研修期間に含まれない。
  • 2. 研修期間のうち,産休・育休に伴い研修を休止している期間は最大6ヶ月までは研修期間に認められる。なお,出産を証明するための添付資料が別に必要となる。
  • 3. 諸事情により本プログラムの中断あるいは他の研修基幹施設のプログラムへ異動する必要が生じた場合,すみやかにプログラム統括責任者に連絡し,中断あるいは異動までの研修評価を受けること。

O.労務条件、労働安全

労務条件は勤務する病院の労務条件に従うこととする。
給与,休暇等については各施設のホームページを参照,あるいは人事課に問い合わせること。なお、当院における当直はおおむね3〜4回/月程度である。